Kill Bill:Vol.1/2003/US-JP
高校生の私は『修羅雪姫』やショウブラザーズや『仁義なき戦い』や『影の軍団』や『死亡遊戯』を知らなかったけれど、逆輸入の日本で繰り広げられる血みどろの復讐劇に、すっかりとりこになった。栗山千明目当てで見に行った本作が、私にとって最初のクエンティン・タランティーノ映画となった。この映画に触れた時の血が沸き立つような興奮は、ほとんど体験したことのないものだった。他のタランティーノ映画と比べても、いやにつるつるとした人工的な画面も、当時の私には映画の輝きそのものに見えたものだ。私はますます栗山千明にのめり込み、片手鍋を持つと振り回すようになり、前触れなく「ヤッチマイナー」と叫んだり、歩く時に頭の中で布袋寅泰のテーマソングを流れたりと、完全にこの映画に狂ってしまった。10代でこの映画に出会えたことは、私の人生の幸福のひとつだと思う。
残念ながら本作はソフトやストリーミング では、青葉屋での戦闘シーンが一部モノクロ加工されたバージョンしか見ることができない。いつか完全な形でのBlu-ray化を望んでいる。