第191位『十七人の忍者』(長谷川安人)
Seventeen Ninja/1963/JP

東映集団時代劇路線の第1作。
前半はちょっと退屈したけど、城への侵入作戦が始まる後半から俄然面白い。劇伴も最小限で緊迫の潜入劇。敵側の陣頭指揮を取る才賀は、紀州の根来衆忍者出身で、エリート集団である伊賀忍者へのコンプレックスを抱えながら、討伐に執念を燃やす複雑なキャラクター。ストイックゆえに仲間内でも孤立する敵役を近衛十四郎が怪演している。
山田風太郎的な奇想天外なアクションや忍術はなく、リアル路線。一人また一人と仲間が倒れていく中、ジリジリと核心に迫り、囚われていた伊賀ボス大友柳太朗の口上を合図に、ついに激突するクライマックスのバトルも手に汗握る。せっかく相手が人数を勘違いしてるのに、ネタバラシするところは「おいっ」と思ったが、後の行動でこれも作戦だったのかと納得。女忍者梢が単なる人質要員でなく手裏剣で加勢するところもカッコいい。
会話劇とサスペンス演出で引っ張り、クライマックスでアクションが爆発する作劇は次作の『十三人の刺客』で結実することになる。東宝の黒澤映画や松竹の『切腹』の影響も指摘されている。日本の時代劇の黄金期を感じさせる一作。
関係ないけど東宝や松竹と比べて東映はクライテリオンのラインアップが少ないですね。アロービデオ御用達なのかな。


