The Virgin Suicides/1999/US
Y2Kカルチャーがスポットを浴びているけど、この映画が今のティーンエイジャーにも刺さるのか興味がある。99年作だが、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』と並び2000年代の気分をリプレゼントする映画。
私も正直、今となってはどうして、あんなにこの映画に夢中になったのかがわからない。適度にアートで、適度にポップな映像(スノビッシュともいう)、絶妙に青臭い選曲センス、若者たちの瑞々しい演技、適度にカジュアルな陰鬱ムード、大人への反抗精神…そういったものが渾然一体となって、地方の進学校で抑圧的な寮生活を強いられていた10代の少年の心にドンズバで突き刺さったんだろうなとおもう。ソフィア・コッポラというクラスのアホが絶対知らないようなイケてる映画を、俺は見てるんだぜ、という自意識も、作品の評価をブーストしたと思う。
あらためて見直すと、キルスティン・ダンストの目に小さな星を描いてみたりとか、稚拙な表現もあるが、それも思春期の日記帳を垣間見るような奇妙な甘酸っぱさと気恥ずかしさが感じられて心地よいのだった。