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第312位『八甲田山』(森谷司郎)

Mount Hakkoda/1977/JP

テレビや新聞で「今年最強寒波」などのニュースを目にすると、いそいそと『八甲田山』のブルーレイを取り出して観賞する、というのがここ数年のライフスタイルとなってしまっている。題材となった雪中行軍遭難事件は、調べれば調べるほど、私たちが日常生活で大なり小なり接している日本組織の宿痾を表している。真っ白な雪山でひたすら男たちが斃れていくだけの映画がヒットしたのは、そういう共感があったからかもなあと思う。撮影エピソードを聞くと、実際の遭難事件に負けず劣らずのパワハラ吹き荒れる現場でそれはそれでどうなんだ…という気持ち。